遥かなる響き (1990)

基本
作品名(英) Haruka naru Hibiki
作品名(独) Haruka naru Hibiki
作品記号  
作品年 1990
ジャンル オーケストラ/協奏
演奏時間  
楽器 orch, cidelo ihos
楽譜・譜面

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曲目解説

石井眞木, 1990年源:CD「ウルトラQ・ザ・ムービー・星の伝説」日本コロムビアCOCC-6379

この映画には〈現代と古代〉、〈テレビ人間と宇宙人(神獣)〉が同時空に出現し、人間にとって「生活」とはなにか、「自然」とはなにかという根源的な問があり、そこに大きな魅力があると思います。

そして作曲にあたっては、実相寺昭雄監督のいう〈自然に合一し、自然を畏敬し、自然の恩恵を享受した原初の人びとの響き〉というコンセプトがいきるような〈音楽〉をかくようにつとめました。

大オーケストラをバックになんどもソリスティックに「シデロイホス」という鉄質の特殊楽器が登場しますが、この非常に特異な音色をもつ打楽器の〈響き〉には、自然を容赦なく破壊する現代社会にたいする、神獣「薙羅(ナギラ)」や、「遮光噐土偶ワダツミジン」、「ミラーメタル・ワダツミジン」たちの、怒りと悲しみの響きがあるはずです。

曲は、〈星たち〉,すなわち森羅万象の息吹を象徴するような「序奏」ではじめられ、第一部「古代神獣の呼び声」では、わたくしたち現代人にむけての「ナギラ」や「ワダツミジン」たちのメッセージ・〈警鐘〉が響きわたり、第二部では、「常世国への憧憬」を表すポリフォニックな音楽に続いて「甦る星たち」が鏡形式で「第一部」、「序奏」を再現して終わります。

この作品を敬愛する実相寺昭雄監督に献呈します。

なお、「シデロイホス」とは、ごく最近、金属彫刻家:原田和男氏と吉原すみれさんの夫君である打楽器奏者:山口恭範氏の共同製作によって生まれた金属打楽器で、ティンパニー等の共鳴体の上において演奏する四角形、六角形の鉄打楽器と、人工衛星のような形状のメタル製の(弦楽器の弓で演奏する)打楽器とがあります。